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【予防原則】の思想を重大危害の前に欧州並みの対策で! |
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(環境経済新聞7月号・新創刊16号) |
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【荻野晃也(おぎの・こうや)氏の略歴】
電磁波環境研究所所長 理学博士
1940年(昭和15年)富山県生まれ。京都大学理学部卒、原子核物理学専攻。元京都大学工学部講師。原子力に関する研究・教育の一方、原子力発電、核問題、環境問題などへの発言を続ける。1979年ごろから電磁波の影響に関心を持って、研究を進めてきた。2003年、京都大学定年退職後、電磁波環境研究所を設立。主な著書に『健康を脅かす電磁波』(緑風出版)、『危ない携帯電話―それでもあなたは使うの?』(緑風出版)、『あなたを脅かす電磁波―ガンから身を守るために』(法政出版)など多数
Q1−【予防原則】という考え方は。
【荻野】:
「取り返しのつかない結果を招く行為や、重大な危害を引き起こす恐れがある行為に対して、その科学的根拠が完全なものでなくても、緩和策を講じるなり、止めるなり、一定の規制・対策を行うべきだ、というのが、予防原則の思想だ」。
「この原則は、ヨーロッパなどでは、ごく普通のこととされている。しかし、日本はこの原則を、最も軽視してきた国、遅れた国のひとつとされ、危険性が確定するまでは、悪影響はない、で済ませようとしてきた。報道の姿勢も、放射線や電磁波の危険性には、触れたがらない」。
「どうも経済優先で、国民の安全や健康問題を、真剣に考えるという土壌が不足しているようだ。特に、原発震災の被害や電磁波の問題、環境問題などでは、それを痛感させられる。後になって、死亡など深刻な被害が表面化するという、“晩発性”が特徴のアスベスト問題などにも、同様のことがいえる。メカニズムや因果関係が未解明というのは、安全だという証拠にはならない」。
Q2―『電磁波』というのは。
【荻野】:
「電磁波とは、太陽光線の仲間で、エネルギーの大きいのが原爆や原発で知られるガンマ線などの“電離”放射線で、それを放出する能力を放射能という。一方で、エネルギーの弱いのが、電波と呼ばれる“非電離”放射線で、こちらが一般に電磁波とされている」。
「だが、大きく括れば、そのすべてが仲間といえる。すべてが遺伝的毒性を示す、と考える必要があって、エネルギーのみで危険性を分類すべきではない」。
「最も心配されているのが、福島原発事故に関連した放射線とオール電化、携帯電話などの電磁波問題であろう。放射線も電磁波の仲間であり、被爆国・日本なのだから、真面目に取り組んでいるだろう、と思われるかもしれないが、事実は全くの逆。世界で一番軽視しているのが日本で、それは福島原発事故でも明らかになっていて、弱者無視、棄民政策のようにさえ思われる」。
Q3―歴史的にみると・・・。
【荻野】:
「第2次大戦後、電磁波応用技術は最先端の技術であり、その危険性を問題にすることは少なかった。だが、まず1960年頃から原発関連施設の放射線、1980年ごろからは送電線・配電線から漏洩する電磁波が問題になり始めた」。
「米国スリーマイル島事故と同じ1979年に発表されたワルトハイマー論文で、配電線による小児白血病の増加が知られるようになり、これを追認する研究が増えている」。
「地球環境問題と関連して、オゾンホールが問題になり、紫外線による皮膚ガンが話題になってきた。紫外線を受けると、人間の皮膚は黒くなるが、進化の過程で、電磁波、太陽光線の影響を克服できる手段を持ち、修復・再生機能を持った生物だけが生き残ってきた。過去に経験していないような電磁波被曝には、生体は対応できない。現在、急増している新タイプの、自然界に無いような電磁波に、生物が対応できるかどうかが問われていて、それこそが電磁波問題の本質といえる」。
Q4−電気利用と電磁波の関係は・・・。
【荻野】:
「2012年5月末で、日本の携帯電話の台数は、PHSを含めると、1億3000万台を突破し、普及率は100%を超える。残る購買対象は小学生といわれ、住宅の近くにもケータイ・タワーが乱立している。戦後に急増した電化製品やケータイなどで、電磁波・被曝は、増加する一方だ。だが最近、極低周波が生殖機能に悪影響を及ぼす、という研究が話題になっている」。
「WHOが電磁波プロジェクトを開始した1996年以降、日本では逆に、オール電化の大キャンペーンを始めている。原発を作りすぎ、余った夜間電力を消費させるためだが、福島の原発事故で、ツケが回ってきている。電磁波の危険性が一般によく知られている欧州では、電気利用を控えよう、としているのに、日本では逆。規制値を緩めるために、世界に逆行して、電磁波被曝を国民に強要する政策を実施しているのではないか、とさえ思われてくる」。
Q5―オール電化住宅の危険性は・・・。
【荻野】:
「オール電化では、電磁調理器と床暖房が目玉だが、価格の低下と夜間電力の極端な値下げで、増え始めた。だが、妊婦は電磁調理器の使用を控えるのが望ましい、というコメントがあり、米国では2002年に、低周波磁界・被曝と流産リスクに関する疫学的研究が発表されている。アルツハイマー病や痴呆症が増加、という研究がいくつも発表され、スイスでは2009年に、送電線の近くでアルツハイマー病が増加、という研究も発表されている」。
「光熱費が安い、掃除が楽できれい、火災の心配がない、などが人気の理由だが、誇大広告そのものだ。2008年には九州電力の誇大広告を、公正取引委員会が摘発した。火災などのトラブル急増のため、経済産業省が火災実験をし、火災発生の防護策を勧告している。九電管内にはオール電化の家庭が多く、原発の停止が痛手になることが、“やらせ”など一連の問題行動の背景とされている。後になって後悔しないように、“電磁波ムラ”の攻勢の負けないように、その危険性を真剣に考える必要がある」。
Q6―身を守るには・・・。
【荻野】:
「低周波の電磁波から身を守るには、発生源を弱くする、発生源から距離を取る、遮蔽して途中で減少させる、など放射線に対する防護方法と、ほぼ同じだ。住宅内で電磁波の強い場所は電源ブレーカー、台所の電化製品、電化製品の裏側、電気毛布・電気カーペット・こたつ・電子レンジ、モーター部分、IH電磁調理器や電気・床暖房、壁の中の配線など。磁界強度は電流に比例するので、100ボルト中心の日本の方が深刻だ。電気を多く使用すれば、確実に電磁波は強くなるので、省エネ型の製品ほど被害は小さくなる」。
「これからの問題は、長期にわたる食品の汚染だ。被曝に安全値はなく、あくまで“ガマン量”にしかすぎない。大人より感受性の高い子供達には、汚染のない食物を与えたい。基準値以下を、およそ3段階程度に分類して、その数値を発表すべきではないか。食品の規制値を、大幅に引き下げることが重要だ。早急に、原発に頼らないエネルギー政策に転換すべきであり、原発からの撤退を決めたドイツに見習いたいものである」。
Q7―環境悪化に対処する21世紀の基本的な考え方は・・・。
【荻野】:
「21世紀だけでなく、今後の千年間を考えたときのキーワードとして、最も重要なのが“予防原則”の思想だ。科学的に不確実性が大きな場合のリスクに対応するための原則で、2000年2月にEU委員会は、環境問題は今後、【予防原則】を基本とすると決定した。フランスは2005年3月、この予防原則を憲法に取り入れている」。
「危険な可能性がある限り、安全性が確認されるまでは排除しよう、という流れが世界中で広がっている」
「その典型例が、地球温暖化問題といえる。また、環境ホルモンでも問題になっていることだが、女子出産や精子減などは、以前から電磁波分野で指摘されていた。日本の死産児のうち、男児の割合が1970年代から急増し、21世紀に入って女児の2・23倍にもなっている。ドイツや米国に、大きな変化はない」。
「電磁波の安全性が確定していなかった、ということがポイントだ。これほど悪影響の研究が増えているのだから、危険な可能性が高いと考え、予防原則思想で厳しく対処する必要がある」。
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凄まじい勢いで普及し続けている携帯電話については、以前から電磁波による人体の影響が指摘されていたため、興味・関心を持っている人々も少なからず存在しているかと思いますが、近年になって急速に定着してきたオール電化住宅(電磁調理器、床暖房)については、利便性や光熱費の節約といったメリットにばかり目が行き、電磁波の影響が話題になることは殆どありません。
しかし、携帯電話やオール電化住宅、その他の電気機器の普及率と依存度が高くなっていく中で、私たちが電磁波の影響を受ける可能性が増しているのは確かです。
荻野氏の指摘にもあるように、「危険性が確定するまでは、悪影響はない」で済ませることはせず、これまで以上に研究や安全対策に力を入れて欲しいものです。
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続・増える環境過敏症(2)森の避難施設で回復 |
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(2011年11月21日 読売新聞) |
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続・増える環境過敏症(1)電磁波と子どもの不調 |
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(2011年11月18日 読売新聞) |
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増える環境過敏症(5)Q&A 国は率先して健康調査を |
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(2011年9月15日 読売新聞) |
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SteveJobsに断られた携帯の電磁波測定アプリを作るTawkonが$1.5Mを調達 |
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(2011年8月23日 TechCrunch) |
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携帯電磁波の人体影響 |
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(2011年7月18日 池田信夫blogpart2) |
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携帯電話は原発より危険だ |
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(2011年6月1日 池田信夫blogpart2) |
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携帯電話の電磁波が骨を腐らせる!? |
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(2011年3月28日 thinq_) |
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飯田でリニア課題、学習会
130人参加「議論の場必要」/長野 |
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(2010年11月8日 信濃毎日新聞) |
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